会津盆地西部地区の農業 - 034/100page
新鶴村では平成8年におよそ12億円をかけて,米を乾燥(かんそう)・出荷(しゅっか)する「カントリーエレベーター」を造りました。よりおいしい米を出荷するため,どんな工夫があるのでしょう。
ここでは,およそ3千トンのもみを取りあつかうことができます。農家から運ばれるもみは,専用(せんよう)のコンテナを使って,最初に機械でもみの重さをはかります。コンテナを持たない農家にはコンテナの貸し出しをしています。
もみは,天日(てんぴ)で乾燥させたものがいちばんおいしいと言われます。ここでは,もみに風を当てることで,天日で乾燥させたものと変わらないおいしさを出せるようにしています。このため,もみに当てる風の温度や湿度,強さを調節(ちょうせつ)して時間をかけて乾燥させます。
乾燥させたもみは,品種(ひんしゅ)ごとに分けて,サイロに入れておきます。いつでもおいしい米が出荷できるよう,サイロの中はいつも同じ温度にしています。農家が自分の家でとっておく米は,春をすぎるころには味が落ちると言われていますが,ここでは,8月になってもおいしさをそこなうことがありません。
このようにして運びこまれた米は,袋(ふくろ)づめにされて日本各地に出荷されます。日本中に会津の米のおいしさを知ってほしいですね。
▲新鶴村のカントリーエレベーター