新鶴村の文化財 -019/027page
立行事稲荷神社(村社)
所在地 新鶴村大字立石田字堰上 管理者 立行事部落 立行事稲荷神社の祭神は倉稲魂命で、農耕の神である。約800年前の建久年間(1190〜1198)佐原義連が草創した、との伝承があるが定かでない。もとは新鶴駅前周辺に祀られてあったが、天文年間の水害で社地が危険になったり、疫病の流行り等により村上の高台、今の長尾原景勝の地に移し、祀られたと言い伝えられている。現在の社殿は昭和11年に建てかえられたものである。
宝物 金鈴
径7センチ 長さ6.5センチ 「奉納 坂下上下伊平次」の銘がある。 昔、坂下町に伊平次という者がいた。伊勢参宮のとき桑名の渡船で、にわかに船が進まなくなった。船頭の言いつけで手拭等客の身に付けているものを海に浮かべると、伊平次の手拭が沈んだ。船頭は「あなたが鰐に見込まれたのだから、皆を助けるため海に入ってくれ」と言う。伊平次は日頃信心しているこの立行事稲荷を一心に念じたところ、船は進み危難を免れ、無事帰郷できた。これは偏に神護によるものと、この金鈴を奉納した。