私たちの郷土 昭和村 - 079/099page
しいたけ栽培(さいばい)
昭和村では,3軒(けん)の大規模しいたけ栽培農家(のうか)を中心に,村の気候条件(じょうけん)を生(い)かして品質(ひんしつ)の優(すぐ)れたしいたけが作られています。また,その生産額(がく)も年(とし)ごとに増(ふ)えています。
しいたけは,寒暖(かんだん)の差(さ)が激(はげ)しい土地の方が栽培に適(てき)しています。それは雑菌(ざっきん)の繁殖(はんしょく)を防(ふせ)ぎ,肉厚(にくあつ)でかさの(直径の)大きい,いわゆるジャンボしいたけが育つからです。
平成6年には,『野尻地区しいたけ生産組合』がつくられました。これまでの雪のある時期(じき)のしいたけ栽培は,難(むずか)しいという常識(じょうしき)をくつがえし,雪が深い冬という気候条件を逆(ぎゃく)に生かそうとする試(こころ)みが始まったのです。
ビニールハウスのコンクリート床には床暖房(ゆかだんぼう)が施(ほどこ)され,ハウスの中の温度は,常(つね)に一定(いってい)に保(たも)たれています。床暖房の燃料(ねんりょう)は,古くなったしいたけの「ほだ木」を燃やすので,燃料費はかかりません。また,ハウスの周(まわ)りに積もった雪は,室温(しつおん)を外ににがしにくくする効果(こうか)も与(あた)えてくれています。
雪に包まれたビニールハウスでは夏と比(くら)べるとはるかに雑菌の繁殖も少なく,また一定した気温はさらに品質の高いしいたけを生む条件になっています。
この組合では,将来(しょうらい),しいたけの他(ほか)にもプルーンなど昭和の土地に適した農作物にチャレンジしようと意欲(いよく)をみせています。