歴史・自然・文化 Shimogo -008/015page
町指定有形文化財
●木造不動明王立像(もくぞうふどうみょうおうりつぞう)
嘉慶2年(1388)に正光寺良知別当外3人の寄進によるもので 岩座に立ち、剣・羂索の持物を奉持し条帛(じょうはく)、腰裳(こしも)の彫り深く通常忿怒(ふんぬ)相であるのにこの像は慈顔(じがん)相であるのが特徴である。材質は胡粉仕立で南北朝時代の作といわれている。像高84m●木造毘沙門天立像(もくぞうびしゃもんてんりつぞう)
南北朝時代(1340〜1400)の作といわれ別名多聞天(たもんてん)とも呼ばれ ている。北方の守護神として武士の信仰が厚く甲胃(かっちゅう)に身をかた め、ふつう2匹の邪鬼の上に立つがここでは1鬼に立ち、胡粉 仕立で彫りも深く威容に満ちた立像で、材質、技法、仕上げと も不動明王と似合っている。像高84cm●御正体(みしょうたい)(懸仏(かけぼとけ))
鉄鋳造円状板に如来像と推定される半肉彫りの仏像 が見られる。懸仏は神仏習合一体の信仰として古く 奈良時代に始まるが明治になると神仏分離令が公布 され隠伏されるようになった。いつの時代の作か明 らかでないが歴史的、学術的にも貴重な工芸品であ る。面径16cm
●木造役小角座像(もくぞうえんのおつねざぞう)
修験道(しゅげんどう)(山伏)の開祖である。素地に漆箔(しっぱく)仕上げ で光背の烏天狗は羽を広 げ妖怪の様相をしている。 本体は頭巾をかぶり高下 駄をはいて岩座に腰掛け 右手に錫杖(さくじょう)、左手に金剛 杵(こんごうしょう)を持ちいかにも天と人 界との媒介点としての麗 峰を守る王者にふさわし い偉容を誇っている。 像高57.5cm