下野街道(南山通り) -033/109page
明治十一年(一八七八)、英国の女性旅行家イザベラ・バードが この下野街道を通り東北地方を旅しています。その旅行記「日本 奥地紀行」には、長野の渡しについて、「平底舟で川を渡った。 川の両側にはまた木がしっかり打ち込んであり、藤蔓を何本も結 びあわせた大綱を支えている。一人は綱をたぐり、一人は船尾で 棹をさす」とあります。明治に入っても渡しが行われていたこと が伺えます。
この渡しも明治十七年(一八八四)の会津三方道路開設とともに その役目を終え、現在では「舟場前」という字名が残るのみです。