下野街道(南山通り) -038/109page
第三節 年度別事業の概要
一 平成七年度事業
(一) 事業工区
第一工区(三郡境の塚から大内ダム)(ニ) 整備内容
本区間の史跡として代表されるものは何といっても峠の茶 屋であることから、根曲り竹が密集した峠頂上平場に五mX 十mのトレンチを設定し試掘調査を実施した。調査の結果、設定されたトレンチからは一定幅で石が置か れているのが確認され、陶器片及び古銭等が出土し、本場所 に茶屋が営まれていたことを確認した。
(三) 工事概要
次年度の整備工事の発注にあたり大内ダムから大内峠一里 塚間について測量業務を委託する。二 平成八年度事業
(一) 事業工区
第一工区(三郡境の塚から大内ダム)
第三工区(大内宿南一里塚から沼山集落
(二) 整備内容
前年度確認した峠の茶屋の本格調査(六二〇m2)を実施し、 茶屋遺構を明らかとした。茶屋のあった場所には、当初より 休憩施設的な四阿を考えていたが、発掘された遺構に忠実に 建物を復元してはとのことから検討する事となる。道路面の整備については、三部境の塚から大内ダム間を直 営により整備した。一里塚より南側は薮化した部分が作業員 を苦しめ、また、石畳の期待があったが、残念ながら整備さ れた石組みとは言えなかった。
第三工区は道筋が何本も存在し、試掘を入れたが確定はで きなかった。
整備工事については、大内ダムから大内峠一里塚間におい て、三本の横断溝設置とともに不陸整正を施し、工事用道路 と平行的な段差のあった旧道については、現道から自然的に 登るように摺り付け、合わせて落下防護柵を設置し、この間 の整備は終えた。また、一里塚にも保護柵を回した。
測量業務は一里塚から三郡境の塚間について委託した。
三 平成九年度事業
(一) 事業工区
第一工区(三郡境の塚から大内ダム)
第三工区(大内宿南一里塚から沼山集落)
第四工区(沼山集落から中倉集落)(二) 整備内容
整備工事は、第一工区の大内峠一里塚から三郡境の塚間に おいて、塚の保護柵、落下防止柵、水処理のための横断溝、 石積みや丸太杭による崩落土留工、茶屋敷地と旧道の境に右 積みを実施した。また、茶屋前から分かれる谷側の道も活か すこととして不陸整正を行った。
第三工区において何本もある道筋の一本から石畳が現れ る。石畳を露出し、薮化した道を切り開き第四へと進む。測量委託については、大内ダムサイトから長野の渡しまで を航測により道筋を明らかとした。なお、測量図化は予算の 関係から三ケ年計画とし、本年度は南一里塚までとした。