ゆたかな下郷町の自然-002/105page

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はじめに
間もなく21世紀を迎えようとするこのころ、みどりの大切さや、少なくなった生きものの保護などがさかんにさけばれるようになってきた。町のあちこちには、工場ができ、山には林道がひらかれ、町のあちこちには道路がせいびされる。こんな時、昔から咲きつづけてきた湿原のかれんなトキソウやワタスゲがすがたを消したり、そこに住みつづけてきた、めずらしいイトトンボやハッチョウトンボが住めなくなったりすることはさみしいことである。こんなとき、皆さんはどのように考えますか。工場をつくることも大切だし、道路をつくることも大切です。しかし、草花も残しておきたいし、イトトンボやハッチョウトンボもそこに生きつづけさせたいですね。
そんなとき、まず、もとになる植物の知識や動物についての知識を知っていることが大切なのです。生きものについての基礎知識を知るといっても、どのていど知っていればよいかが問題ですが、まず、名前を知ることからはじめるのがいいでしょう。
よく、自然を愛するとか、動物を愛するなどといわれているが、花の名前も分からずに、また、なんという虫なのかも分からなくては、愛するどころか、どうすることもできないでしょう。草花を愛するということは、草花を知ることから始まるのです。
このようなことを知っていれば、むやみに堀りとったりできないはずです。このことは動物についても同じことがいえるのです。
ですから、花や、虫や、魚などの正しい名前をおぼえることからはじめよう。それには、花や虫などを見つけたら・てあたりしだいに・図鑑でしらべることです。先生やともだちから聞いても、すぐ忘れてしまいます。自分でしらべておぼえた名前はわすれないものなのです。図鑑などでしらべているうちに、いろんなことが分かってきて、きょうみがわいてきて、もっと知りたくなってくるものなのです。そうなったら、あなたは、もう花博士、虫博士なのです。
まず、自分の家のまわりの草花からしらべるのもいいし、学校のまわりで見つけた虫からはじめるのもいいでしょう。
そんなとき、この本が少しでも役にたつことをねがっている。(編集者)


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