博物館学習指導の手引き-036/098page

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関連単元名:米づくりのむらから古墳のくにへ
展示コーナー:c:獲物を求めて
資料名:縄文土器、狩りの道具


縄文土器縄文土器の発明
縄文土器縄文土器の発明は、それ以前の旧石器時代の文化と比較してみると、まさに歴史的な技術革新であった。土器の機能の中で最も大きな評価ができるのは「鍋」としての機能である。この結果、食糧の調理法として「煮る」ことが可能になったのである。このことは、土器の内外に付着した煤や煮こぼれの跡からうかがい知ることができる。煮炊きすることによって食糧として利用される種類(特にドングリやクリなどの食物質の資源)が増加し、さらに短時間で大量に食物を加工・調理することが可能となった。これまでの狩猟を中心とした不安定な食生活から安定した食糧の利用・活用へと変化していったのである。食糧の利用・活用の安定化は狩猟を中心としていた頃の移動生活から定住生活へ変化をもたらしたのである。縄文土器は、長く続いた時代の中で、主に煮炊き用の土鍋として使用されていたが、この煮炊き用の深鉢の他にも目的に応じて、変化をとげた。食物の盛り付けに使用された浅鉢・鉢、液体を蓄えた壷や少量ずつ注ぎ分けることが可能な注口土器、祭祀等に用いられたであろう香炉型土器などが見られる。このような十器の種類の多さは、縄文時代の生活の豊かさを示しているとも言える。このような器種の多様化は当時の社
会において縄文土器が果たした機能・役割を物語っている。

縄文土器の地域性晩期前半(約2700前)
縄文土器の地域性晩期前半(約2700前)

縄文土器の型式は地域的な広がりをもち、地域によって型式も変化した。隣接した地域から出土した土器をみると、器形や文様にそれぞれの型式が影響し合い、土器文化の融合のあとを見ることができる。このことは交流・交易など人々の地域的なつながりをうかがい知ることができる。

狩りの道具
縄文時代の食糧の獲得方法として狩猟があげられるが、旧石器時代から行われてきた狩猟とは道具・技術においても異なり、生産の量や質においても格段の差が見られる。その要因となったのは、弓矢の発明、家犬の飼育や日宿し穴」による集団狩猟の発達である。
弓矢の発明

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