博物館学習指導の手引き-045/098page

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関連単元名:聖武天皇と奈良の大仏
展示コーナー:c:律令政治と行方郡
資料名:古代の製鉄炉長瀞遺跡竪形炉の操業


たたら製鉄古代から近世まで継続された「たたら製鉄」とは、鉄原料として砂鉄を用い、木炭の燃焼熱によって砂鉄を還元し、鉄をとる方法である。炉の形状は古墳時代の段階では円形・楕円形・方形・長方形と様々だが、8〜9世紀になると長方形の箱形炉に統一されてくる。8世紀初頭には東口本を代表とする半地下式の竪形炉が現れる。竪形炉の送風技術が長方形の箱形炉に付設された結果、製鉄量は大幅に増大した。

竪形炉の操業のようす 竪形炉の操業のようす



長瀞遺跡の竪形炉 長瀞遺跡の竪形炉
原町市と鹿島町に広がる金沢製鉄遺跡群は7世紀後半から10世紀初頭まで操業された約225,ooouの全国でも例のない大きな規模を持つ遺跡である。多数の製鉄炉、木炭窯、鍛冶炉、竪穴住居跡、堀立柱建物跡からなるコンビナートがこの地区に形成されており、律令時代の国営製鉄所と考えることができる。遺跡群内123基の炉のうち竪形炉は10基のみで、最も残りの良い長瀞遺跡の8世紀後半の炉を移設展示している。
製鉄関連遺跡出土品   


製鉄関連遺跡出土品
【羽口】蛭沢遺跡出土
【羽口】蛭沢遺跡出土

製鉄遺跡から出土している羽□は通風管の役割を持つ

【獣脚鋳型】川内廻遺跡出土
【獣脚鋳型】川内廻遺跡出土

【土鈴】
製鉄炉の周囲より出±しているため祭祀用と思われる
【土鈴】

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