博物館学習指導の手引き-076/098page

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博物館資料
「縄文土器」を生かした授業例

1.単元名6年「日本の歴史」「米づくりのむらから古墳のくにへ」一使える土器をつくろう一

2.小単元の目標
(1)人々の生活や社会の様子の急激な変化に関心をもち、その背景を調べたり、米づくりの発達の様子や国土の統一の様子を調べることができる。
(2)円の広がりやむらの様子の変化から、米づくりと人々の生活や社会の変化の関連について考えることができる。
(3)絵画資料や写真資料を比較し、その違いを指摘したり、遺跡や出土品などから当時の人々の生活の様子を想像することができる。
(4)米づくりの技術や大陸からの文化の広がりが、人々の生活や社会に変化をもたらし、やがて大和朝廷により国土が統一されていったことを理解する。

3.指導計画(総時数7時間)
(1)どんな違いが見られるかな・・・1時間
(2)集まって米づくりを始める・・・1時間
(3)各地で「がくにを治める・・・1時間
(4)大きな墓をつくる・・・1時間
(5)十:たちがまとまる・・・1時間
(6)大陸文化が伝わる・・・1時間
(7)使える上器をつくろう・・・1時間(本時)※総合的な学習の時間も活用

4.本時のねらい
縄文土器づくりをとおして、縄文時代の人々のくらしに興味・関心をもつことができる。

5.博物館資料について
縄文上器は、主に煮炊きや食料の貯蔵に用いていた。出土する土器は、北海道南域から東北地方」北域にかけて出土する円筒式土器と呼ばれる様式のものが多い。
原町市の遺跡では、羽山遺跡、石倉遺跡、滝ノ原遺跡、植松遺跡などから出.上している。縄文時代晩期の1器の様子を見ると、当地では、」北海道南域から関東地方」北域にかけて出土している亀ヶ岡式十器と、関東地方を中心に出土している晩期安行式土器、北陸地方を中心に川上している北陸中屋式十器の交流点となっている。また、矢じりの材質には、黒曜石のものや、矢じりを固定するためのアスファルトが付着したものが見つかっており、これらは、特定の産地でしかとれないものなので、当時の人々が他の地域と交流していたことを物語っている。
木活動では、体験学習のひとつとして縄文土器づくりに取り組み、当時の人々の技術の高さを実感したり、生活をより深く理解したりさせたい。また、1中位時間での活動は無理があるので、総合学習と関連づけて時数を確保する方法がよいのではないかと思われる。


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