博物館学習指導の手引き-082/098page

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博物館資料
「古代の製鉄炉」を生かした授業例

1.単元名 6年「日本の歴史」「聖武天皇と奈良の大仏」

2.小単元の目標
(1)聖武天皇による大仏造営の1」的や様子を調べ、天皇中心国家ができたことと、それを根底で支える農民の働きや使者たちが伝えた大陸文化の影響をとらえる。
(2)身近な地域の遺跡や文化財、博物館資料などを手掛かりにして山時の様子を考える。
(3)我が国の歴史や人々の働きについて、遺跡や文化財、人物の動き等から関心を持つ。
(4)我が1」司の歴史や伝統の持つ意味、役割について考え、適切に判断する。
(5)博物館などで遺物を観察したり、史跡を実際に見学するなどして実感的にとらえる。
(6)問題解決に必要な資料を収集、活用して時代の特色や人々の働きを明らかにする。
(7)文化遺尿、遺跡、文化財などを調べて、自分なりの考えを持ったり、まとめたりする。

3.指導計画(総時数5時間)
(1)大仏の完成式に参加してみよう・・1時間
(2)天皇の力が強くなる・・・・・・・1時間
(3)人仏をつくる・・・・・・・・・・1時間
(4)使者たちが文化を伝える・・・・・1時間(本時)
(5)部のはなやかさのうらで・・・・・1時間

4.本時のねらい
「外国からどのような文化が円木に伝わったのだろうか」を学習課題として、我が国が大仏づくりの技術や政治のしくみ、文化をどのように学んでいったのかをとらえ、学習プリントにまとめることができる。・遣唐使や留学生の役割などから日本への文化の伝わり方を調べることができる。・博物館資料「古代の製鉄炉」から当時の技術などについて気づくことができる。

5.博物館資料について
○「古代の製鉄炉」について原町市と鹿島町に広がる金沢製鉄遺跡群は7世紀後半から10世紀初頭まで操業された約225,000uの全国でも例のない規模を持つ遺跡である。多数の製鉄炉、木炭窯、鍛冶炉、竪穴式住居跡、掘立柱建物跡からなるコンビナートがこの地区に形成されていたと推定される。遺跡群内123基の炉のうち堅形炉は10基のみで、最も残りの良い長瀞遺跡の8世紀後半の炉を移設展示している。古代から近世まで継続された「たたら製鉄」とは、鉄原料として砂鉄を用い、木炭の燃焼熱によって砂鉄を還元し、鉄をとる方法である。炉の形状は古墳時代の段階では円形、楕円形、方形、長方形と様々だが、8〜9世紀になると長方形の箱型炉に統一されてくる。8世紀初頭には東口本を代表とする半地下式の堅形炉が現れる。壁形炉の送風技術が長方形の箱型炉に付設された結果、製鉄量は大幅に増人した。


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