う点で「弾痕の残る甕、薬莢」は大変有効な資料である。
また、軍事施設だけでなく学校が空襲を受けたという驚きを子供たちに持たせるために、「原町国民学校の学校日誌」等は貴重な資料であり、児童がその当時の小学生の気持ちを共感的に理解するために大変重要な資料でもある。
6.指導過程
段階 学習活動・内容 時間 ○教師の支援 ◎評価 資料 つかむ 1.本時の課題をつかむ。 3分 ○防空訓練の写真を提示することにより、すべての児童に本時の課題が身近であることを感じさせ、追究する意欲を持たせる。 泉地区防空訓練の様子 めあて 戦争中原町の人々はどんな思いや願いを持って暮らしていたのだろう。 2.調べたことをもとに戦争中の原町の人々の暮らしの様子を発表する。 7 ○どの児童にも効果的な発表ができるように、具体物や視聴覚機器を活用するように助言する。 配給品購入台帳 衣料切符 広げる ・食料の配給制度 ○原町にも軍関係の施設があったことを確認、させるために、当時の飛行学校の写真や見取り図なども提示する。 深める ・学徒動員 飛行学校開 ・軍事教練 校式写真 ・飛行学校の開校 ◎原町でも多くの人が不自由な生活に耐えていたことを共感的に理解することができたか。(発表・ノート) ・原町を襲う空襲 弾痕の残る 餐 3.当時の生活についての自分の考えを発表する。 10 ○否定的な発問を用意し、児童の考えを揺さぶる。 中野磐雄の 写真 ・何とか勝ってほししい ○どの児童にも共感的理解を促すために、自分が戦争に行った人の家族だとしたらという点で発表できるように発問をする。 山本卓美の しらべる ・早く戦争が終わってほしい 遺書 4.ある飛行兵の日誌からわかることを発表し話し合う。 18 ○内容がよく理解できない児童にも理解できるように、要約した文を用意し提示する。 山本卓美の ・選ばれた誇り 日記 ・家族への愛情 ○どの児童にもより深い考えを持たせるため、家族にあてた文章を読ませ考えさせる。 ◎戦争について多方面から考えることができたか。(発表・観察) まとめる 5.話し合ったことをもとに、自分の考えをノートにまとめる。 7 生かす ○どの児童にも平和の意義について考えさせるため、これから自分はどうすればよいかという点も付け加えてまとめるよう指示する。 まとめ 戦争中の原町や全国の人々は、食糧の配給や空襲などの様々な困難に耐えながら、精一杯生活していた。また、原町の飛行学校から戦争に行った人もいたが、そのような人を原町から送り出すことがないように、平和な世の中を守っていけるようにしたい。 ◎原町や全国の人々が戦争中の様々な制約の中で、いろいろな思いや願いを持って生活していたこと、さらには今の平和を守っていこうとすることについて考えを深めることができたか。(ノート・発表)