自然観察ガイドブック 五十人山の自然 -013/032page
オオウラジロノキ(バラ科)
ヤマツツジ(ツツジ科)
チゴユリ(ユリ科)植物は、そのやぶの表面をおおい、高木にからみつ いて充分な日光を受けようとする。その結果、林内 を風が吹き抜けたり強い陽射しが入り込むこともな くなり、地面の乾燥や温度・湿度の変化がおさえら れ、植物にとっての環境が安定したものとなるので ある。すなわち林縁のやぶは、風や強い陽射しから 植物を守る「マント」のはたらきをしているのであ る。高山など環境の厳しいところほどマント群落の はたらきは重要である。中部日本の有名な観光地で は、長年多額の費用をかけて観光道路ぞいのやぶの 狩りはらいをつづけたてめに、樹木の立ち枯れだけ でなくひどいところでは土砂崩れまで引く起こして