自然観察ガイドブック 五十人山の自然 -015/032page

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リフネ、トチバニンジン、ツルネコノメソウなどが 草本層をつくり、ホウチャクソウが可憐な花を咲か せ、イヌガンソクやヘビノネゴザなどのシダ植物が 大きな葉を広げている。日当たりのよい道路わきで は、樹高1〜3mのアオハダ、マユミ、ケナシャブデ マリ、ウツギ、ミズキ、ガマズミ、ミヤマウグイス カグラ、リョウブ、コゴメウツギなどがマント群落 をつくっている。

頂上付近の植物

五十人山には頂上が2つあるが、そのうちの北側の ものが葛尾村と都路村の境となっている。この頂上 近くの北側斜面に貴重なブナ林が残っている。直径 20〜30cmのミズナラも混じっており、かつてこの あたりのブナが伐採されたことを示している。数が 少なく珍しい樹であるといわれるオオウラジロノキ も見られ、春にはリンゴに良く似た花を咲かせる。 林床にはヤマツツジやミヤマガマズミ、マンサクな どが低木層をつくり、草本層にはチゴユリ、イヌヨ モギ、キバナアキギリ、オヤリハグマ、マキノスミ レ、オヤマボクチ、ツルリンドウ、アズマスゲなど のほか腐生植物であるギンリョウソウも見られる。

ヒメイズイ(ユリ科)
ヒメイズイ(ユリ科)

 2つの頂上の間の鞍部の斜面は低木林、底は草地 となっており高い木がほとんど見られない。この原 因としては、かつて放牧地であったということと、 冬の季節風が樹木の成長を阻害していることが考えられる。このことは鞍部の東端のアカマツが偏形樹となっていることからも推察される。  風衝低木林を構成しているのはナツハゼ、ミズナラ、リョウブ、ヤマツツジ、ツクシハギ、ツノハシバミ、ベニバナツクバネウツギなどである。5月下旬から6月上旬にかけてはレンゲツツジが満開となり、これに合わせて催しものも行われる。

 鞍部のほぼ中央にはミズメの高木が立っている。


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