自然観察ガイドブック 五十人山の自然 -021/032page

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コウ岩であるが、カコウ岩には方状に割れる性質(節理(せつり))がある。この性質は、岩石の風化とともに著しくなり、また風化を進めることともなる。かつて大岩だった五十人石もこの割れ目によって少しずつはがれ、山の斜面をころげ落ちて徐々に小さくなってしまったものかもしれない。

 五十人石の周囲には、様々な奇岩が点在している。五十人石もこれらの奇岩群も、阿武隈山地を作った浸食作用で五十人山ができた時に、侵食を免れたカコウ岩である。これらの岩はみな高い所から崩れたり転がったりしているもので、節理が発達し、また風化もすすんで様々なおもしろい形となっている。

無線塔側からみる山頂奇岩群
無線塔側からみる山頂奇岩群
奇岩群と手前の丘は風化侵食に強く高地となり、
中程の草地は風化侵食に弱く低地となった。

カコウ岩を作る鉱物

 五十人石をよくみると、3種類の粒からできているのがわかる。(なめらか、水をつけるとわかりやすい)。灰色で透明なものが「石英(せきえい)」、白またはピンク

帽子をかぶったような奇岩
帽子をかぶったような奇岩
カコウ岩が、タマネギをむくように風化しているもの。
(タマネギ状風化)

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