自然観察ガイドブック 五十人山の自然 -023/032page

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これを「岐良良(きらら)」と呼んだ。

 これらの鉱物粒は、カコウ岩のもとになったマグマが、地下深部でゆっくり冷え固まる過程(その時間は、数千年とも数万年ともいわれる。)で結晶したもので、混然となっていたマグマの成分が、目に見える形で個性を現してきたものである。

測量の基点―三角点

 五十人山山頂には二つの丘があるが、現在無線塔の立っている丘の頂上には、「三角点」がある。別の二つの三角点との間で方位を測り、図上に三角形を書き連ねてゆくことによって、距離や地盤の水平変動を測定することからこの名がある。互いに見通せる山の頂上などに、きわめて精密に設置されているので十分な注意が必要である。

 五十人山のまわりにも多くの三角点が設置されており、これを目安に山の名前を確認するのもよいだろう。

 五十人山から東方を望むと、三角点がぼ南北に配列されている。それぞれ山陵の頂上にあるのだが、その東側は西側のなだらかさとは異なって、かなり険しい地形となっている。ここには、北北西〜南南東方向に「畑川破砕帯(はたがわはさいたい)」と呼ばれる断層帯が走っており、その影響が山陵の連なりと地形の険しさにあ

三角点
三角点
カコウ岩でできているが、はるばる広島から
運んで設置されている全国の三角点の標石はみな同じ。
中心の十字は東西南北を示している。


三角点

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