自然観察ガイドブック曰山の自然 -009/031page
9 曰山の植物ての藩政時代の界石が残っている。大きな石 の表面に安達と双葉の国境を示す線が刻み込 まれている。同じような界石は、社の南側の ヤマツツジの茂みの中にも残っている。
鳥居を出ると、路はまず左右に大きく分か れる。左が順路であるが、右を行くと急坂の 先で大きな花崗岩の露頭が路をふさいでいる。 しかし、近づいてみると、この露頭の下に小 さな隙間があり、この穴をくぐって先に出る ことができる。ここは、胎内くぐりと呼ばれ、
通りぬけると身についていた悪病神が払われ るといわれている。鳥居の先で分かれた二つ の路は、この先で合流する。
このあたりは、ブナ、シナノキ、ヤマモミ ジなどの美しい樹林が拡がっている。林床に は丈低くチマキザサが密生している。この林 を出た所に御神水がある。茂原の三匹獅子の 一行はここで身を浄めて神域に入るのである。
御神水を過ぎてからは、路は広い尾根沿い にゆるやかに下りて行く。子のあたりは、昭 和の初期までは馬の放牧地となっていたが、