た二人はホット溜息(ためいき)をついて草むらの上に尻もちをつきました。
上の小屋の持金(もちがね)の方が一寸(いっすん)ほど多いことがわかりました。
にわかに曇った空を、はやなきの不如帰(ほととぎす)が血をはくような声で飛び去りました。小川のせせらぎが、さらさらと流れています。
しばらくのあいだヂットみつめあっていた二人の長者は、やがてどちらからともなくいざりよって手を握りあいつぶやきました。「つまらねい事だなあ……。」
それからあと、二人の長者は、力をあわせて里の開発にうちこみました。
二人が出会ったところは里の真中(まんなか)だったので野上村字中組(なかくみ)と呼ばれ野上の里開発の中心となり本村(もとむら)というようになりました。
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