大熊町民話シリーズ第1号 民話 苦麻川-010/055page
よ。
なんでも寺沢の観音様(双葉町)のほうから飛んで来たんだそうだ……。」
この事があってから里の人たちは、崖の下にある大杉の根元に、祠を建ゝ観音様をまつり、馬祖神飛付相善神社ととない、鹿が峯を観音山と呼ぶようになりました。
寺沢には、大同元年に徳一大師が建立したという観音様の古堂があり、
浪江町川添には平将門をまつった国玉神社があって、もと巡礼観音といわれて滝夜又姫が関東より遷座したのだろうと伝えられているのです。
《第五話》
満開坊物語
むかし。
どこからともなく、満開坊という托鉢僧(たくはつそう)が野上の里に来て、毎日毎日、野上の里や、大川原の里を托鉢して歩いていました。