大熊町民話シリーズ第1号 民話 苦麻川-034/055page

[検索] [目次] [PDF] [前] [次]

年がたつにつれて、鍛治屋さんの牛はまた丸々とふとるようになりました。

 

 《第十五話》

  阿弥陀如来物語

統合中学校のつくられる大和久の丘陵は、むかし、自然林に覆われ狐や狸が数多く住んでいました。

丘の南は北原と呼ばれ、北に山を負い、南に太陽をうける北原には、だんだんと人がすみつき、野や山に火を放っては土地を拓らいて行きましたが、水がすくなく、表土が浅いうえに粘土質だったので思うように作物がみのらないので、人々はここは大悪(おおあく)だ、などと云っていましたので、だんだんとなまって大和久と呼ぶようになりました。

むかし。

この北原に久四郎という人が住んでいました。農作業のかたわら橋の沢の浜でとれた塩を背負って川内村方面に行商していました。


[検索] [目次] [PDF] [前] [次]

掲載情報の著作権は大熊町に帰属します。
大熊町の許諾を受けて福島県教育委員会が加工・掲載しています。