大熊町民話シリーズ第1号 民話 苦麻川-041/055page
石になっているお花さんの姿をみつけました。
薄幸だったお花さんの一生をあわれんだ里人たちは、それ以来石になったお花さんを嫁石(よめいし)また嫁入り石と呼んで、お参りしては、お供え物や、花類をたむけてお花さんの霊をなぐさめてまいりました。
嫁入り石は、今もススキと萩にかこまれてひっそりとたたずんでいます。
《第十八話》
一反田物語
熊川の浜から小入野浜を通り、広い南原をよぎって夫沢川口に出る旧浜街道に沿う南原に、一反田というところがあります。
昔は地名そのまゝに、原野の中に拓かれた一反歩(一〇アール)の水田でしたが、今は一帯の桑畠が広がっています。
むかし。