大熊町民話シリーズ第2号 民話 野がみの里 - 033/056page
みんなははじめてこの辺に何かいて人をさらうのだということを知りました。何人かの若者が百目ろうそくに火をともしてどんどんと穴の中に入りました。娘は少し入った所に気絶していました。すぐ外に出すと息を吹き返しました。事情を聞いても夜のことだから何者の仕わざかわかりません。
人々はその晩は帰って次の日穴を探検しました。二十間程入ると広い部屋がありました。そこが住家でした。すみの方にごみだめがありました。どんどん進むと明るくなって沢が見えました。
村の人々は地蔵様をもとの所にたてて厚くお礼をのべました。村はもとの平和な里になりました。
《第十六話》
野上原の戦国英雄 (下野上)
明治四年平民は苗字を許されることになった。今までは権兵衛とか田子作とかいって、百姓は姓を許されなかった。それで部落の人たちはどんな姓にしようかと相談した。