大熊町民話シリーズ第2号 民話 野がみの里 - 038/056page
途中何人かがかくれていていたずらをするのです。一町程行くと松の木のかげからユウレイが出ました。熊さんはビクともしません。また三町程行くと。パッと青い火があがりました。熊さんは平気で焼場に急ぎました。
墓場に入るとさすがの熊さんも身の毛がよだつような感じがしました。すっかり燃え切ったワラの中から本物の青い焔がチョロチョロとあがります。臭(にお)いがします。熊さんは仏様に合掌するのも忘れて急いで棒をさしました。すぐにささるはずなのになかなか棒がささりません。満身の力をこめて棒をさしました。
そしてやれやれと思って立ちあがろうとしましたが、着ていたハンテン(上着)を何者かにおさえられました。さすがの熊さんもびっくりしてアッと叫んでそこに倒れてしまいました。何かいたずらしようと焼場の上手にかくれていた仲間もびっくりして熊さんを起こしましたが、ハンテンが誰かにおさえられています。焼場の火ですかしてみると、熊さんはパンテンの上から俸をさしたのでした。