大熊町民話シリーズ第2号 民話 野がみの里 - 046/056page

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小判があれば欲しいものは何でも買える。まだあの土蔵跡には何十枚、いや何百枚もの小判や大判が埋っているに違いない。そうすりゃ我が家は大川原一番の金持ちになれる。ようし主人の留守をさいわい、土蔵跡をかきまわしてみよう。

おくさんは一生けんめいくわをふるって土をおこしました。しかし石ころばかりで小判は一枚も出ませんでした。

夕方丹蔵は山から帰ってびっくりしました。それから後、丹蔵は土蔵跡にはたちよりませんでした。

 

 《第二十三話》

  身代り地蔵 (野上)

野上の里の道傍に地蔵様がたっていました。この里に仁太郎夫婦が貧しく暮らしていたのです。
二人の間には子どもがなかったので、二人はいつも地蔵様にお詣りして、子どもを一人さずけて下さいとお願いしました。そのかいあって、仁太郎の家にかわいい男の子が生まれました。仁四


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