大熊町民話シリーズ第3号 民話 野上川 - 002/024page

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キノコの節になりました。真先に嘉助が羽黒には大蛇がいる。俺見たといいました。喜助はたまげたふりをして「ほんとか。まさか材木でなえのか。」としらばくれました。心の中ではシメシメと喜びました。これが部落中に広まり、誰もキノコ取りに行かなくなりました。嘉助は頃はよしと大きなカゴを背負って山にむかいました。あるわあるわ忽ちカゴ一ぱいになりました。

では大蛇を見ようとつつみに行くと向うから大蛇が泳いで来ます。俺も大したもんだ。本物そっくりの大蛇をつくりそれが泳ぐようになったわと思うとうれしくなりました。しかし待てよ。大分近くなった。あゝあれは本物だ。下手すると一呑みに呑まれてしまうと喜助は腰が抜けて歩けません。大声で助けてーと叫びました。そこへとんで来たのが嘉助です。

嘉助は喜助が心配で山に来たのです。本物の大蛇はすぐ近くに来ています。嘉助は喜助の腰をどんとたたくと喜助は立てました。二人はどんどん逃げて北向に出ました。もう安心。でも二人はマツタケの話は一言も話しませんでした。

 

 《第二話》

  おたか森


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