大熊町民話シリーズ第3号 民話 野上川 - 019/024page

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むかし結婚式には部落の若者が必ず「うたい」をあげることになっていました。部落の上手な人が先生となり冬の夜長に集って「うたい」の練習をするのです。それは中々厳重で毎晩習った所を一人ずつやらねばなりません。家にいても、歩いていても練習。ですから上手下手はあっても大ていの人は覚えます。

野上に与助という「うたい」の先生がいました。近い中結婚式をあげるのでみんなぜひ上手に歌ってもらいたいと先生に頼まれたので弟子たちは毎晩一生けん命に練習していました。

その外先生のために最高のプレゼントをしようと相談しました。ある人がいいました。カゴウマはどうだろうと。当時結婚式には大てい一組や二組のカゴウマは出ました。見物人は花嫁、花ムコを見ながらカゴウマを見るのが大きな楽しみでした。カゴウマは馬丁と馬が一組となります。

馬は大きな○○をさげてそれをうまくあやつり女の人など追いかける。女の人がキャーキャー逃げまわる。馬丁かそれをうまくあやつる。こんなカゴウマが何組も出ればすばらしい結婚行列となるのです。ただ教養がじゃまして中々出来ないのです。やるには大へんな勇気がいる。とうとう見送ることになりました。

ある人がいいました。野上川蛇歯見(じゃばみ)に大きな○○ににた石がある。あれをみんなでかついで来て先生の庭にプレゼントしようかと。


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