大熊町民話シリーズ第3号 民話 野上川 - 022/024page

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て来て山に火がつきました。三人はびっくりしてハンテンをぬいで火をたたきましたが火は四方に広がるばかり。二人の子どもは里の方に逃げましたが、火をつけた子どもは叱られるので山の奥ににげました。煙を見て部落の人は火を消すため集って来て火を消しましたが子どもが一人見えません。

大人たちは子どもの名をよびながら探しましたが見当りません。うす暗くなりました。部落長が大きな声でいいました。
「皆さん、まだ子どもはでてきませんが暗くなりますので家に帰って下さい。またあしたお願いします。」
これを聞いた子どもはこれは大へんと大きな声でアーンと泣きました。みんなはめでたしめでたしと帰って来ました。

 《第十四話》

  鼻欠け地蔵


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