大熊町民話シリーズ第3号 民話 野上川 - 023/024page

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太郎二郎三郎の兄弟がいました。三人はいつでも青ぱなをたらしていました。昔のことですからはな紙など持っていません。はなが出ると、そで口ではなをぬぐうので、いつもそで口はかわいてパカパカになっていました。当時は着物は高価でしたから何枚も持っている子供はいません。

一枚しかなくて冬のあわせ着物の裏をとってひとえとして着る子供だって珍らしくありませんでした。三人ばかりでなく大ていの男の子は「はなたらし」だったのです。そのはなはウミだったのです。いたくないから手当もしませんでした。とにかく不潔でした。おかあさんも忙しいので子供にかまっている時間がないのです。

ある晩、三人のおかあさんの枕許に地蔵様が現われて「お母さん困るでしょう。それで私の顔を手ぬぐいでふいてその手ぬぐいで子供の顔をふいてあげなさい。はなが出なくなります。」

おかあさんが目がさめて、あれは夢だったのか。しかしためしてみようと思い、新しい手ぬぐいで地蔵様の顔をよく洗い別の手ぬぐいではなをよくさすって来ました。そして眠たがっている子供を起していねいに顔をふいてあげました。子供たちはびっくりしました。今まで顔など洗ったことありません。

ところが青いはなはぴたりと出なくなりました。家族はみんな喜びました。三人のはなたらしがいつもきれいな顔しているので部落の人はふしぎに思いました。そしてわけを聞いてもみんな


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