川内村民俗芸能のしおり -012/041page
風流(ふりゅう)はもと「ふうりゅう」と読み、雅やかなもの・風情のあるものの意であるが、 中世以後、「ふりゅう」と訛って、きらびやかな装飾をほどこした作り物をさすようになり、 さらに華やかな衣装をつけた踊り(集団舞踊)や囃子をもいうようになった。
しかも単に華やかなことだけでなく、この世に執着を残して死んだ者の怨霊が、種々の 災害をもたらす御霊信仰と結びついているところに特色がある。そのため、華やかに着飾った 踊り手が行列をなし、にぎやかな囃子につれて激しく踊っては、怨霊を巻き込んで村境 に送り追い払うことが行われるようになり、風流は、この華やかさと御霊信仰の二つの 要素を持って発展分化していった。
風流系統として、念仏踊り、盆踊り、太鼓踊り、獅子舞などに分類されるが、県内に最も古い分布の多 いのは獅子舞である。西日本では素面で演じるのに対して、関東以北では獅子頭をつけて踊ることが多 い。これを「風流の獅子」、あるいは一人がひとつの頭を つけるところから「一人立ちの獅子」といって、神楽の二人立ちの獅子と区別している。
県内の多くは、男獅子二匹・雌獅子一匹の三匹で踊る ところから三匹獅子舞と呼ばれることが多く、川内村に おいても昭和五十二年四月、県重要無移民俗文化財に指 定された四組の一人立ち風流獅子舞が伝えられている。 この獅子舞は、高田島・中島・西山・坂シ内の四地区に