川内村民俗芸能のしおり -014/041page

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 「笠揃い」は秋祭りにだけ前日に、「笠抜き」は春秋とも八幡神社の祭礼の夜に、 いずれも宮本で行っている。笠抜きには獅子舞と神楽を四、五〇歳の年輩者が舞う。

 演者と衣装・・・獅子は、太郎獅子・次郎獅子・雌獅子の三匹で、獅子児は七、八歳から一四、五歳まで の長男が勤める。三人一組で交代するが、交代を「立替え」といい、昭和六十二年に立替えを 行ったところである。
 縞模様の着物にたっつけ袴をはき、紺手甲、白足袋、草鞋ばきで腹太鼓をつけ、ばちを持つ。 帯色は太郎・次郎が白と水色、雌獅子が白と赤で容易に、区別できる。道化役はつかない。 囃子方は、神楽の社壇を出し、笛二、三名、太鼓一名がつく。

 楽器・採物・用具等・・・獅子頭は張り子で、太郎は高さ二一センチメートル、幅一九センチメートル で、八字形に傾いた長さ一三センチメートルの角がついている。次郎は高さ二三センチメートル、幅一九 センチメートルで角が二本あるが、太郎よりさらに内側に傾いている。雌獅子は高さ二〇センチメート ル、幅一六センチメートルで角はなく、川内四組の中で最も小さい。前垂れには、諏訪神社の社紋五つ柏 葉が染め抜いてある。
 腹太鼓は直径一七センチメートル、胴長一九センチメートルで、雄獅子のものには青色の、雌獅子のも のには赤色の布を巻きつけてある。胴内には寛政元年(一七八九)の銘がある。ばちは、長さ一〇センチ メートルの細竹に緑(雄獅子)と赤(雌獅子)の色紙を巻き、両端には紙房をつけてある。
 獅子の太鼓は、神楽に用いる社壇にとりつけた締太鼓を兼用していて、直径二四センチメートル、 胴長


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