川内村民俗芸能のしおり -024/041page
頼する。
演者と衣装・・・獅子児と囃子方を役者という。獅子は太鹿(たいしか)と後鹿(あとしか)の二匹 の雄獅子と雌獅子の合わせて三匹である。かつては西山と手古岡の二地区の六、七歳から二〇歳まで の長男に限ったが、昭和四十一年から堂小屋が西山地区に加入したため、以後三地区から各一名ずつ を選出することになり、年令を下げて中学校三年までて交替することが多い。 立替えには三名が一緒に交替し、後任は正月の休み以前に代議員会を開いて決定する。
狩衣に紺色の袴で、白足袋はだしとなる。腹太鼓はつけるがばちは持たない。 獅子の前垂れには内藤公の定紋の下り藤が染め抜いてある。
囃子方は、笛二、三名、太鼓一名で、歌い手も一名つく。楽器・採物・用具等・・・獅子頭は張り子で三匹とも大きさはほぼ同じく、 高さ約二三センチメートル、幅約二ニセンチメートルあり、二匹の雄獅子にだけ 長さ約一六センチメートルの八字形に傾いた二本の角がある。腹太鼓は小太鼓といい、 直径一ニセンチメートル、胴長一一センチメートルの締太鼓である。
囃子方の太鼓も締太鼓で、直径二四センチメートル、胴長三七センチメートルある。 現在は用いていない古いもの一個あり、これは直径二五センチメートル、 胴長三〇センチメートルで、胴内に「天保三辰年七月吉日御太鼓請合所岩崎平新河町半沢屋藤茂張之」 とある。笛は六孔の篠笛である。芸能の構成と内容・・・舞は「庭がかり」と「山がかり」の二種に大別され、 獅子役の立替えごとに交互に教える。「庭がかり」は弓の舞がつくところから 「弓がかり」ともいい、それぞれ次のような細目からなる。