川内村民俗芸能のしおり -031/041page
町獅子
名称と所在地・・・町地区は下川内の字坂シ内、宮渡、宮の下、田ノ入の四小字からなり、 ここの獅子も地名をとって「町獅子」と呼ばれる。
行われる時期と場所・・・字坂シ内鎮座の諏訪神杜の春秋の例祭に、 社前では「西山獅子」に先立って、社殿東側の広場での「警固の庭」では その後に演じている。両日とも渡御のあと、宮本宿の区長宅でも舞う。
また、同神杜には十一月二十七日の新嘗祭にも午前中に社前で奉納される。
このほか宮渡鎮座の日山・稲荷・八幡・熊野他一社を祀った五社八幡にも、五月六日 (かつては旧暦四月八日)に奉納している。管理と組織・・・獅子頭は町地区の所有で、その運営には区長と世話人が責任者となる。 獅子世話人は、かつて二年を任期として五名を選挙によって選出したが、現在は九名となり 輪番制をとるようになった。
練習は、おおむね一月三日から十日まで宮本宿の区長宅で行っている。 師匠には古老の達人を依頼する。"笠揃い"は祭礼前日の五月四日の午後、 宮本に各戸一名以上が集まって行われる。"笠抜き"は祭礼翌日に行うが、 春は簡単な慰労会程度ですまし、秋には各戸一名以上が集まって盛大に行われる。
演者と衣装・・・獅子児と囃子方を"役者"といい、大郎、次郎の雄獅子と雌獅子の 三匹獅子であるが、近年は「西山獅子」と同じく太郎を太鹿、次郎を後鹿または中鹿とも呼んでいる。 三匹のうち雄獅子二匹の舞