川内村民俗芸能のしおり -032/041page

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児は世襲で、太郎は横田家か若松家、次郎は菅波家か猪狩家の七歳から一五歳までの長男をあてる。 ただし近年は、二、三男があたることもある。これらの獅子児は獅子頭をつけ、 狩衣に紺色の袴で白足袋はだしとなる。腹太鼓はつけるがばちは持たない。
 舞い方は獅子のほか、明治のごく初期までは、「お猿子」がついた。これには古老があたるが、 菅波家の某女が最後といい、それ以前に演じたものも女性であったという。これは、赤い袖なしの 長じゅ袢を着て、手甲、脚半となった。
 囃子方は、笛四、五名に歌い手一、二名、太鼓一名で、太鼓方には一二歳前後の長男があたる。
 これらの役者とその家族は、一週間精進料理で物忌を行い、祭礼当日は朝風呂で身を清めてから 参加する。

 採物・用具・楽器など・・・獅子頭は張り子で黒を主色とし、眼、口、角の先には金色を配してある。大 きさはほぼ同じで高さ約二三センチメートル、幅約二四センチメートルで、二匹の雄獅子には約一五セン チメートルの角が各二本ある。太郎の角は並行して立ち、上部六センチメートルほど金ぱくが塗ってあ る。次郎の角は八字形で先がせばめられ、上部の金ぱくが四センチメートルほど塗られ、 雌獅子には角がない。さらに太郎・雌獅子にはきば二本があり、次郎はきば一本である。 目の形も、太郎は並行して柔和な相があり、次郎・雌獅子はつり目で、外側が上がってかなり相が強い。
 前垂れには、舞鶴が染め抜いてあり、腹太鼓は、直径一二・五センチメートル、胴長一ニセンチメート ルの締太鼓である。


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