ならはの絵馬−村人の祈り−-002/036page

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絵馬の由来

 古代人にとって馬は農耕・狩猟・軍事において必要欠くことのできな い大切なもので、その保有数が一族の富と力を象徴するものでした。次 第に馬は信仰の対象になり、神の乗り物として崇められるようになった といいます。
 生馬を祈願や感謝の進物として神へ献納するようになり、それができ ない者は、木で造った木馬を献上し、それもできない者は馬を描いて生 馬の代りに献上したのが絵馬の始まりとされ、さかのぼること1300年前 の奈良時代頃からと言われています。
 鎌倉時代以降になると馬以外のものが描かれるようになり、江戸時代 になると庶民の願望を託した祈願絵馬が流行し、安産・育児・商売繁 盛・厄よけ・病気平癒などの悩みや願いをさまざまな画材で描き寺社に 奉納されます。
 絵馬の形式は屋根形(吊懸形式)・方形・縦長・横長・扇形などさま ざまです。絵馬は大絵馬と小絵馬に分けられ、大絵馬は武士・豪農豪商、 また集団で奉納し、専門絵師が描くことが多くみられます。小絵馬は個 人の奉納が多く、祈願者の悩みや祈りを暗示的に表現をしてあるので、 絵馬を見るのではなく、絵の奥に秘めた心を「読む」という感覚になり ます。


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