ならはの絵馬−村人の祈り−-015/036page
23.漁船遭難図 大正14年(1925) 井出 竜田神社(目録1)
大正14年11月5日午後5時ごろ、3人の漁夫が井出浜沖で突然暴風雨に遭遇する。広野村北釜沖合を漂流中、漁船の持ち主佐々 木政治、船長辰之助ほか乗組員に救助され、九死に一生を得た。これは神の御加護の賜とその様子を模写して奉納したもので ある。奉納
竜田神社御前 施主
渡部庄作
草野治三郎
渡辺善喜
維時 大正十四年十一月五日 午後五時
頃 我達三名双葉郡竜田村字井出
浜沖合出漁ノ処 同月六日御前九時
頃 俄然巽ノ大々暴雨吹来りタメニ
怒涛激浪ヲ起サレ進退之レ谷ルノ際
北方ヨリ機械船ノ南進スルヲ認メタル
故 直チニ是レニ救援ヲ乞クルニ 倖ニモ
同船員一流ノ大尽力依リ 終ニ同郡久之浜
佐々木政治氏持船長辰之助氏外
乗組員一統ノ大奇特之御厚庇
卜感謝スル不堪卜雖モ 亦是神明
ノ御加護ニ出タルモノト深ク信念スルノ
余 我等三名助命者遭難当時ノ
実況ヲ模写シ似テ 後日記念ノタメ
神前ニ献額ヲナシクルモノ也
応需(もとめにおうじ)
□斎筆
24.漁船遭難図 大正14年(1925)
北田 北田神社 (目録4)
救助された三名は神の御加護の賜と、竜田神社と 同じものを北田神社にも奉納した。