わたしたちの郷土楢葉町 楢葉町小学校社会科教師用資料 - 100/110page
○ 大晦日(おおみそか) 大歳(おおとし) としとり おつもごり
大晦日の夜は年とりで家族そろって夕食を食べる。大人はお膳料理である。料理はおひら(尾、頭付の魚)、おにがし(野菜、こんぶ、こんにゃく、凍豆腐、きのこなどを含めて5品から9品の煮物)、お吸物、煮豆、きんぴら牛蒡、酢のものなどである。
このような料理は神棚にも供えられる。正月飾りは神の「寄(よ)り代(しろ)」であり、先祖の霊をお祭りしお詣りする。
1月 正月 睦月
○ 元日 元旦 大歳 歳徳神 元朝詣り
年男(戸主、長男または厄年に当る家族)は早朝若水を新しい手桶に吸む。そして風呂を沸かし年長の順から朝風呂に入る。
さらに年男は神棚に燈明を明かし、お茶とひし餅(ひし形に切った餅)を供え、家族の朝食(お雑煮)をつくる。こうして年男は朝晩の役割りを3日間続ける。婦女子は3日間食事の準備には手を出さない。
元朝詣りはお詣りする神社、時間は家々の都合によって異なる。部落の産土神にはお詣りする。
元日には他家を訪れることはしない。又箒は使わない。(掃き出さない)
○ 二日 ふつか日 買初(かいそ)め 初荷 初売り
朝晩の行事は元日に同じだが、この日は買初め、初売りがある。朝早く年始もの、日用品、衣類などを買初めする。店の景品が早いお客の順から違うので早朝に出るのが習わしである。商店は初売りであり、初荷である。
卸問屋の初荷は幟りや旗を立てて商店を廻った。初荷からはみかんがまかれ、子どもにとっては楽しい初荷であった。
○ 三日
朝晩の行事は元日に同じ。
風邪をひかないように三日とろろを食べる。3日間は靜かに家の中ですごす。(現在は崩れている)