いわき市教育委員会指定 平成9・10年度 研究実践校報告-01/40page

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「自ら,課題を追究し,互いに高まり合う」算数科の授業の在り方
いわき市立平第六小学校
1 研究計画
 1 研究主題
数理的に処理するよさを味わう学習を通して,自ら,生きて働く基礎的な知識と技能を身につけるには,どうずればよいか。〜一人一人の児童力が,授業を通して,自己実現できる力を高めるために〜
2 主題設定の理由
(1) 学校教育の今日的な課題から
社会の変化に伴い,子どもを取り巻く環境が大きく変わる中で,教育に関する課題も増加・深刻化している。このような状況から,学校教育には様々な対応が求められているが,基礎学力の向上と生徒指導の充実についてさらに努力することにより,一人一人の子どもに対して,現在及び将来において,自己実現を図れる能力や態度(生きる力)を身に付けさせることが重要である。
この「生きる力」は,子どもに自ら学び,自ら考えられるような,学習に対する主体性を持たせることで養うことができる。これにより得られた主体的な態度力が,生活の中においても,たくましく生きていく力につながる。教育の課題に取り組むには,授業を,各教科の特性を踏まえ,基礎的・基本的内容の定着を図る場とするとともに,生徒指導の機能も取り入れながら,子どもにとって,自分らしさを生かせる場となるように工夫・改善していく必要がある。
(2) 本校の教育目標から
本校では,「考える子ども」「思いやりのある子ども」など,5項目を教育目標としている。その具現化を図るために,具体目標,重点目標及び子どもの発達段階に応じた学年目標を設定している。
「考える子ども」の具体目標としては,「自ら進んで学習する」と「すじ道をたてて考える」を掲げている。また,「はっきり話す」「自分の考えを持って話す」「友だちの考えと比べて話す,聞く」などを学年目標としている。これらを踏まえて,学習課題に対する自分の考えをきちんと持ち,互いに考えを発表し合い,より良い考えを見付けていけるような授業を目指している。
「思いやりのある子ども」の具体目標や学年目標としては,「相手の気持ちを考える」「協力し合って活動できる」などが挙げられ,友だちの考えや活動を認めながら学習できるように努めている。
(3) 本校の児童の実態から
本校の児童の学習に対する取り組み方は,比較的しっかりしていると思われるが,これからの課題として挙げられるのは,多様な見方や考え方ができるようにすることである。これは,1つの考え方で答えが得られると,別な考え方をしなかったり,受け入れなかったりすることや,解き方がパターン化されている場合には積極的に解決しようとする力が,そうでないと取り組みが消極的になることが多いためである。この傾向は,算数科で顕著であり,授業に対する「受け身」の態度につながっている場合が少なくない。
また,児童の生活面では,他人と上手に関われるようにすることが課題となる。集団生活における利己的な言動や無関心な態度などは,児童中心の学習活動においてもマイナスであり,考えを述べることや,相互に理解し合うことへの支障となっている。


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