いわき市教育委員会指定 平成9・10年度 研究実践校報告-09/40page
段階 学習活動・内容 時間 ・指導上の留意点 ※テーマに迫る手立て つかむ 1 課題をつかみ,見通しを持つ。 5 ・面積を求める場合の分ける,合わせるなどの操作活動や,既習の面積の公式など,前時までの学習を基に,求め方の操作順序や立式方法についての見通しを持たせる。 三角形の面積の求め方を考える 解決する 2 三角形の面積を求める。 10 ・T.T.の分担を決め,個別指導を充実させることから,一人一人の児童に自分の考えを持たせる。 ・等積変形や倍積変形で ・グループ学習の場合も,内容の確認や,相違点を明確にするなどの援助を,計画的に効率良く行う。 ・直角三角形を利用して 3 面積の求め方を発表し合う。 10 まとめる 4 より簡単な面積の求め方について話し合う。 10 ※求め方の操作手順が少ないことや,短い式によって表されていることを比較の視点とする。 ・長方形に変えて ※グループの中でお互いに,自分と他の考え方との違いを良く理解して,認め合ってから,比較の視点を基に,より簡単な考えを客観的に話し合って選ぶようにさせる。 ・平行四辺形に変えて ※選んだ考え方と自分の考え方が違う場合,その違いを確認して,良い点を自分の考えに取り入れる。 ・方眼紙の数を数えて いくつかの代表的な考え方の発表によりまとめる。 ・既習の公式を用いて 5 面積の求め方をまとめる。 5 深める 6 類似の問題を解く。 5 ※次時の面積の公式の理解につながるように,グループ及び全体のまとめで発表された考え方の中で,最も分かり易かった式を使って解決させる。
(5) 授業の考察
話し合って,考えを比べる視点を分かり易く示したことで,各グループとも,より良い考えを持つことができた。ただ,話し合う過程で,特に下位の児童は,自分の考えを発表することはできても,理由を明確にして,より良い考えを選ぶ活動に積極的に参加することが少なかった。それでもほとんどの児童が,自分の考えに固執しないで,他の考えを受け入れようとしたことと,選んだ考えと自分の考えの相違点については理解が得られ,見直せたことは,授業のねらいに沿っていた。この授業は,面積の公式を導くため,様々な求め方を出させることが重要であり,いくつかの考えの中からグループでは,簡潔さを基準にして1つの考えを選ばせたが,学級全体では,オープンエンドなまとめにした。いわゆる「練り上げ」からのまとめは,「数理のよさ」から簡単,明瞭などを判断材料にして行われる場合が多いが,単元や本時のねらいに応じて考える必要がある。
T.T.による指導・援助は効果的に行われた。課題解決の見通しに戸惑いが見られた児童も,適切な対応により自力解決できたことで,その後のグループ活動に自信を持って取り組めた。