いわき市教育委員会指定 平成9・10年度 研究実践校報告-35/40page

[検索] [目次] [PDF] [前] [次]

(2) 豊かな表現力
本校生は授業の中での新出表現に対する練習意欲は十分であり、「言語活動」でも積極的に活動する。ということは生徒の表現が不十分であれば、教師の指導力が問われる。本校生の表現力に関して全体的に言えることは次の通りである。
 ・英語らしいなめらかな表現が不十分。抑揚、リズムがつかめていない。
 ・表情、ジェスチャーがあまり豊かでない。
 ・既習事項をうまく取り入れて言いたいことを簡潔に表現することが苦手。
そこで本校生に求める表現力を次のようにする。
○伝えたいことを自分の言葉で簡単に表現できる力
―英語らしい音声と表情豊かな表現―
「学習活動」において音声面も含め、新出表現を生活の場で用いられるように練習させる。
「言語活動」において生徒の伝えたいという欲求を大切にして、「どう伝えるか」でなく「何を伝えるか」という設定を心がける。
3 各教科検証授業の概略
○ 国語科
〈第1年次〉
(1) 単元名:家族について考える (3学年1組)
(2) ねらい:根拠を明らかにして意見を述べることができる。
(3) 授業の実際:課題確認により意見の述べかたのトレーニングを行う。その後ディベートの構成を確認し、2グループによる実際のディベートを実施。論題は「高校生の私服について」である。
根拠、理由を自分で考えながらの意見発表が活発に行われる。
(4) 授業分析、協議:意見の練り合いがあった。生徒が生活という観点から本音で意見を述べ、創造的で感心させられる内容の話し合いであった。根拠を持って意見を言う「型」が身に付いている。
〈第2年次〉
(1) 単元名:古典との出合い 故事から生まれた言葉 (1学年1組)
(2) ねらい:「矛盾」の意味と用法を理解し、自分の言葉で表現できる。
(3) 授業の実際:教科書「矛盾」に関する物語を各自音読。その後イラスト入りのワークシートで口語訳に取り組み、次に物語を自分の言葉で表現する活動を行う。
(4) 授業分析、協議:楚人のセリフをいわき弁で表現したり、物売り独特の調子をうまく表したりする生徒が見られ、自分なりの表現ができていた。抽出生徒に実際に矛盾で演じさせる方法も考えられる。
○ 数学科
〈第1年次〉
(1) 単元名:1次関数 (2学年1組)
(2) ねらい:線香の燃える実験によって、1次関数とそのグラフについて経験的に理解する。
(3) 授業の実際:班ごとに長さの違う線香で実験を行う。3分毎にグラフ用紙に焦げ目をつけ、測定する。1分間に約0.5cm燃えたことから、線香の長さをxcm、燃えた時間をycmとしてy=0.5x、という1次式であること、変化の割合が同じものは平行になることに気づく。
(4) 授業分析、協議:線香の使用は理解を助けるのに効果的であった。1次関数を実際のもので理解した。


[検索] [目次] [PDF] [前] [次]

掲載情報の著作権はいわき市教育委員会に帰属します。
いわき市教育委員会の許諾を受けて福島県教育委員会が加工・掲載しています。