平成11年度学力向上IDプラン 実践集録-044/045page
○ 学力テストの分析を新学習指導要領の指導にどう生かして行くべきか(植田東中)
(1) 学力検査の分析
学力テスト(NRT全国診断的学力テスト)の結果を分析すると、まず目につくのが『国語』である。全学年ともに「言語事項1」が低い。さらに学年が上がるにつれ「言語事項2」が低下している。中領域別に見てみると1年「文の組み立て、文の成分の理解」、2年「文の成分や付属語の働きの理解」、3年「文章の組み立て、文の成分の理解」・「文末の表現、付属語の働きの理解」が低い。この結果から考えられることは、「言語事項1」が学年が進むつれ「言語事項2」に悪い影響となって表れていると考えられる。次に他教科に目を向けると、国語の「言語事項1・2」の影響が表れている。例えば「数学」である。1年「文字式の表し方」・「比例・反比例」2年「数の表現方法と数の適切な使用」3年「確率」・「標本調査」など文章読解力を必要とする領域が低いのに影響していると考えられる。
(2) 新学習指導要領との関連
新学習指導要領を実施するにあたり、各教科での課題解決のため学習内容を精選し新学習指導要領にもとづいたゆとりある指導計画の中で定着を図ること。さらには、生きる力(社会の変化に対応できる力、未来を拓く力など)を着実に身につけさせるためにも活動する時間、考える時間の設定等、じっくり学習できる時間の設定が必要である。特に、中学校1年生では、小中連携の観点から基礎基本の定着を重視した学習の推進を図ることが大切で、そのことが中学校の基盤になると考えられる。そのためにも、子どもの実態に合わせた基礎基本とは何かを明らかにし、一人ひとりの子どもの個性に応じて身につけさせることが大切である。また、基礎基本を学ぶ意味を子どもたちに認識させることがその定着に大きく影響すると考えられる。