須賀川市立博物館図録 俳諧摺 上 -072/113page
海山もしくれ しつまる今宵かな 風 外
かれぬ草凡(およそ) なけれとをはな哉(かな) 水 由
見へて来る時雨 かそへるはかりかな 三 和
一首五十周追福し参らせんものは
月か雪かはた花かかへり見れは皆
是
祖翁嚢中(のうちゅう)の物なり其さやけくいさき
よくかんはしきにほひを慕ひて忍ふ
柴の戸にしくるゝ夜半の軒のしたゝり
三四ふたつ寂に音して終に一巻となれる
をいさや一束ねの芻(まぐさ)にとて捻(ねん)香九拝し
奉りなを回遊の志もさこそとおし
はかられぬれは折しも打くもる雲
紙(かみ)に謹てひと言を加ふ三和