須賀川市立博物館図録 俳諧摺 上 -095/113page
年と名と品こそかはれ米(よね)のはる 通称八十八 漸 風 米といふかきりもなくて松のはる 茂とめ 降雪や花にくらふる米(よね)の餅 春 路 寿や千代をこめたる鏡餅 東 明 屠蘇(とそ)なめん米(よね)の盃(さかずき)いたゝいて 清 知 つゝかなく米(よね)の御慶をうけらるゝ 春 斎 去秋の祝ひも既に米齢の はるに移られたるを賀す 祝ふ手にもたせ初子(はつね)の玉帚(たまばはき) 七十一老 清 民 曽祖父母の米字の春を迎給(たま)ふを歓(よろこ)ひて 千代かけて茂らん松も米(よね)のはる 曾孫 旧 池 人々に祝はれみつからもいはひて おもしろや起て出たれは米(よね)の春 八十八齢 多 代 文久三年癸亥春