須賀川市立博物館図録 俳諧摺 下 -082/100page

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  同    
琵琶山下結高堂 嘯月以花傾寿觴    
碩徳伝来孫又子 誰知積善有余慶 福良 赤藤烏洲
  同    
由来仙骨非凡骨 況又衛生時得宣    
休笑古稀賀篇拙 米年金此賦新詩 白川 山下切所
  同    
童顔七十狼丹霞 累見蟠桃老着花    
時夜夢過蓬島上 祥重簇々護仙家 若松 文字松渓
  同    
姪々孫々孫又子 満堂和気楽依々    
其心其徳稀今世 年寿非唯為古稀 白川姪 友月越信
   寄猪湖琶岬叟古稀を寿く    
若々し春立雪の翁しま 七十八老 青宜
 松もみとりのいろ添るころ   琶岬
もたせ物鰆(さわら)に笹を打かけて 七十八老 尋香
 返事はすれと隙のとれけり   三生
月の雲横になり又たてになり   壮山
 窓から塵を捨るひや水   竹晴
  おのおの前文略    
苔ころも重ねて立や松のとし 東京 鳳羽
たれいふとなけれと花のあるし哉 同七十八 尋香
菊苗や今から花を見るこゝち 新潟七十九 木甫
末長し石井あふるゝ春の水 仙台 甫山
皺(しわ)手とは見えす小松の曳ちから 西京 逸外
七めくりして末長しはるの水 大坂 支仙
なゝくさや君かちとせの祝ひ種 紀伊 松年
摘添て祝ひはやさん七若菜   文字
千代迄もいはひ重ねて七つかな   幽岱
いつ見ても笑ひ顔なり安積山 北越 文字
是からか薫るやうめの七分咲 甲斐 降仙
古稀の賀や千代よろつ世も花の主 福島八十四故 忍山
豊さや何を餌にして匂ひとり   嫗 
紅うらをはれや齢の着そはしめ 八重子
年たつやひとの中なる人の花   袋蜘
いさともに登らん山の花千本 尾張 羽洲
花七つ元日草の咲にけり 常陸 樵翁
七阪を越てめてたし花の春   多可女
老木ほとかをりの深し梅の花   清翁
ゆかしさや古来稀なるとしの花   壷中
年を経し松や殊更はなのつや 守山 可祝
まつ竹に齢ひかさねてとしの花   一枩
文字と共に尽せぬよはひかな   朴齋
内外にめたつはしらや七五三飾   如雲
とし毎に色古稀松のみとりかな 二本松 一娥
七草の香にしられけり空のいろ 糠沢 隈水
まれな幹稀な枝也花の兄 若松 水香
文字に尽せぬ千代のほまれかな   好文
春毎に愛ます古稀の姿かな   雲霄
たのしみはまた奥あるや花の山   知足
稀といふめてたきとしや君か春  
石井より汲若水や幾千とせ   丈山
鶴の舞ふ岬の空や日のなかき   秀峰
小松ひく力も有や君はまた   いし女
此先か何処迄あるや花のおく   半窗
千代を手に握る翁や小松曳   松相
七草のはやしや千代も同しさま   桐山
うめ一木たくひ稀なる色香哉   欄壷
実を結ふつやの見えけり桃の花   里鶴
年々に梅の立枝やかをるはな   玉雅
鶴と亀松と八千代の椿かな 野沢七十九 坡石
四海波静な春や翁しま   兎僊
松風も千とせを呼や門の春 喜多方 悠直
根堪へをつほみに見せて冬つはき   古東
こけのむす程香の高し梅の花   時嘯
麗しく次第に伸る春日かな   指月
世も年も鶴にまかせよ君か春   文字
万才もあやかる君か齢かな 村松 文字
白うめの益ふかき匂ひかな   香堂
千代経へき操を松のみとりかな   香久
寿も自然に持てまつの花   松花
七十路はまた蓬文字の梺(ふもと)哉 塩川 梅雅
七分咲て猶咲たせよ冬至梅   竹圃
名に立し岬の松や千代の春 猪苗代 香器
十返りの幹枝ふりや花の兄 翁島 忠孝

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