須賀川市立博物館図録 俳諧摺 下 -091/100page

[検索] [目次] [PDF] [前] [次]

塀外へのり出て茂るやなきかな 杜香
牡丹咲て園一はいのけしきかな 白鴎
松風の反れにもあるや去年今年 晶湖
登るほと眺めの殖て春の山 南涛
いつ見ても見あかぬものや花の園 芦舟
末広うなりて翠や春の川 湖風
花園や幾度来てもあるなかめ 蓬翠
世の中の塵は見付す菊の園 十湖
万代や松の翠に初日かけ 駿河 蝸堂
日に冨し松の園生や花の兄 頑石
沢山に根分たまへよ園の菊 甲斐 飛水
松山の名にことふけやはつ霞 香風
月雪や花から松の山高し 守拙
翠する厳(いわお)や松の花明り 安房 伯志
松並に茂りてゆかし園続き 上総 皇民
見通しに山路続きや松の花 琶谷
鶴の来て何処へも往かす松の花 武津子
閑のなき園のあるしや松の花 秀芳
此茂り外にはあらし松の園 慶子
いやしける松のみとりや君か春 常陸 花翠
大空につなくみとりや春の山 近江 九峰
鶴亀もこもりての名や松囃子(まつばやし) □□ □山
松竹の翠に添うやかさり餅   □洲
名弘めの趣向も涼し松も園 羽後 文字
黄鳥や翠の色になりし山 加賀 更隣
親みは松にありけり後の月 嘯月
みとりにも色香のたちて梅柳 越中 竹洞
若松や茂り重ねし枝配り 喜水
目覚しや雪解のあとの若みとり 北窓
祝ふへき松の色なり若みとり 梅逸
色かへぬ風情や松の一茂り 竹水
植替て見直す松の翠かな 菊園
うえかへて園の見栄や若翠 備前 静月
あらためてさす旭匂ふや松の花 紀伊 琴涯
鶴も来て祝へことしの松のいろ 阿波 文字
松はよき園のあるしや初日影 讃岐 真海
芽出度は松の翠よ雪の山 豊後 冨石
年立や常盤の松のみとりより 三河 石芝
ふところの深きは松の茂りかな 露香
流れ出る水おと高き茂りかな 素木
山鳥の声奥深き茂りかな 石波
夏山や翠滴る滝のおと 培風
一日まし翠引出す家内喜(やなぎ)かな 閑水
茂り合ふ木の葉の蔭や岩清水 顕山
ゆかしさや茂る葉越しの庵の門 石林
松やよし花の中にも紅葉にも 一洲
晴渡る雨や夏野の深みとり 貫志
植替た松から春は栄えけり 梅露
常盤木の中にも松よ初日の出 植花
豊川やみとりも清き春の色 潮風
松は茂り名はみとりなる高根かな 珪史
夏も尚みとりたゆるす伸よ松 豊橋 杜堂
なしみある松たのもしき初日かな 半仙
松茂る園や翠の山つゝき 梅一
植替た松や眼につく若みとり 瑞鴻
むきかへていよいよ涼し松の門 愛年
あらたまる門の名札や松の花 禾口
松は尚床しき色や春の山 雨香
茂りあふ家の栄や松柏 酒友
あらたまる松の見栄や雪の朝 雪舎
□□□□□□□□□□□□□ □□
のひ□□梢賑はし園の梅 □風
夏深し山は□に埋れて 喜月
ゆったりと伸る□の翠かな 琴風
翠した山や霞□八重ころも
咲き立て殊にきはし松の花 聴雨
昇る旭に香も充分よ園の梅 光娥
玉松の幾千代かけて茂りけり 愛松
なにもかも足□□姿□□の山 壽 
松の花咲や野も□□山もよし 石堂
常盤木の色あら□□茂みけり 栄枝
吹て来る風も角なし□□とり 其□
いや茂る園生の松や初日影 巴水
松の花尽ぬ千歳の詠めかな 杏雨
山吹や水も翠の川伝ひ 松雨

[検索] [目次] [PDF] [前] [次]

掲載情報の著作権は須賀川市立博物館に帰属します。
須賀川市立博物館の許諾を受けて福島県教育委員会が加工・掲載しています。