吉田冨三記念館だよりNo.6号 -010/016page

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吉田富三賞

 吉田富三賞は日本癌学会と浅川町と吉田富三顕彰会が、偉大ながん研究者吉田富三博士を記念して設けられたものである。賞は、年一回優れたがん研究者に授与して、その功績を表彰し、あわせてがん研究の一層の振興をはかることを目的としている。この賞の制定の背景には、浅川町がふるさと創生を機に、全町あげて、吉田富三博士の顕彰事業に取り組んでいることに対して、日本癌学会が応えるという相互信頼の絆がある。又、財団法人浅川町吉田富三顕彰会は、吉田富三賞に協賛している。

杉村 隆

第1回 平成4年
杉村 隆(すぎむら たかし)

■プロフィール
1926(大正15)年4月20日東京都生まれ。1949(昭和24)年東京大学医学部卒。同放射線科教室助手。1954(昭和29)年癌研究会癌研究所研究員。1962(昭和37)年同研究所生化学部長。1974(昭和49)年同研究所所長。1984(昭和59)年同センター総長となる。発がん性物質の研究に取組むなかで、胃がんの人工的発がんに成功し、がん学の進歩に大きく貢献する。1978(昭和53)年文化勲章受賞。1992(平成4)年より同センター名誉総長。

菅野 晴夫

第2回 平成5年
菅野 晴夫(すがの はるお)

■プロフィール
1925(大正14)年9月13日山形県寒河江市生まれ。1947(昭和22)年3月旧制山形高等学校理科卒業。1951(昭和26)年東京大学医学部卒業。同病理学教室を経て、1965(昭和40)年癌研究会癌研究所に入り、1966(昭和41)年同病理部長1973(昭和48)年同所長となる。胃がん細胞の継代培養、上咽頭がんからのEBウイルスの検出、脱がん現象など、常にがん病理の最前線で活躍されている日本を代表するがん病理学者。1993(平成5)年7月から癌研究会癌研究所名誉所長。

豊島久真男

第3回 平成6年
豊島 久真男(とよしま くまお)

■プロフィール
1930(昭和5)年大阪市に生まれる。1954(昭和29)年大阪大学医学部卒業。同大学院。1972(昭和47)年大阪大学微生物病研究所教授。1979(昭和54)年東京大学医学科研究所教授。1987(昭和62)年同研究所長。1990(平成2)年大阪大学微生物病研究所長。1994(平成6)年より大阪府立成人病センター総長となる。発がんメカニズムの研究に取組みラウス肉腫ウイルスがん遺伝子を発見、その後のがん遺伝子研究の発展に大きく責献した。1987(昭和62)年日本学士院賞、1993(平成5)年同会員。豊島博士の業績の中で、最も重要なものはがん遺伝子の発見である。1969(昭和44)年Rous肉腫ウイルスB77株温度感受性(ts)変異株の分離に成功し、初めてウイルスがん遺伝子の存在を証明した。

佐藤 春郎

第4回 平成7年
佐藤 春郎(さとう はるお)

■プロフィール
1920(大正9)年東京生まれ、仙台に育つ。旧制二高卒。1945(昭和20)年東北大学医学部卒。同大学院特別研究生となり、吉田富三教授の指導を受く。米国国立癌研究所研究員(1952〜55)。昭和35年福島県立医科大学教授(病理学)。昭和35年東北大学抗酸菌病研究所肺癌部門教授、同研究所長併任(昭和53〜59)年。1984(昭和59)年定年退職、福島労災病院長を務めた。吉田肉腫・腹水肝癌を用い発癌・増殖・転移・腫瘍血流の研究を行う。癌昇圧化学療法を提唱。日本癌学会・日本癌治療学会・日本肺胃癌学会名誉会員。東北大学名誉教授。

伊東 信行

第5回 平成8年
伊東 信行(いとう のぶゆき)

■プロフィール
1928(昭和3)年京田辺市(京都府)生まれ。1952(昭和27)年奈良県立医科大学卒。米国ピッツバーグ大学研究員(1962〜64、68年)。昭和47年奈良医大教授(腫瘍病理学)。昭和49年名古屋私立大学医学部教授(病理学)。ドイツ国立癌研究センター客員研究員(1982〜83)。化学発癌の病理学的研究を行い環境中から多くの発癌物質を発見した。厚生省食品衛生調査会、文部省大学設置・学校法人審議会常任委員、日本癌学会、病理学会、毒性病理学会、毒科学会、各理事を歴任。高松宮妃癌研究基金学術賞、武田医学賞、紫綬褒章。ネプラスカ大学、カジャリ大学名誉学位、アメリカ毒性病理学会名誉会員。平成6年名古屋市立大学学長。


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