ふくしま海洋科学館学習指導の手引き -045/097page

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 福島県沖までやってくる親潮の源は、ベーリング海やオホーツク海です。北の海は栄養塩が豊富なため、プランクトンが大量に発生します。そこでは、多くの魚が育ち、それらをエサとするさまざまな海獣類(海にすむ哺乳類)や鳥類が生活して います。このコーナーでは北の海にすむゴマフアザラシ、トド、セイウチ、ラッコを紹介しています。

(4)タイヘイヨウセイウチ(セイウチ科)

 体長は最大4.2mにもなり、体重はメスで900kg、オスで 1500kgになります。ベーリング 海やチュコート海の沿岸や流氷域 に分布しています。体色は茶色か ら明るい黄褐色で、胸から腹にか けて濃い色をしています。

 オス・メスともに大きなキバがあり、海から上陸するときや、 オス同士カミ争うときなどに使いま す。主に二枚貝類を食べますが、その他にエビ類、力二類、タコ類、ナマコ類など40種類ほどの無脊椎動物を食べています。口のまわりに生えているたくさんの固いヒゲで海底の貝やエビ、タコなどを探し出し、貝などは見つけると中身だけ を吸い込んで食べます。

画像 ▲セイウチ
▲セイウチ

画像 ▲北の海の海獣
▲北の海の海獣

(5)アラスカラッコ(イタチ科)

 アリューシャン列島からアラス カにかけて分布しています。毛の色は褐色、灰褐色、黒褐色などがあります。体つきは胴長で4本の足は短く、後脚には水かきがあり ます。陸上にはめったに上がらず ほとんど水上で生活し、岩の多い 磯にすみます。

 ウニ、力二、貝類をあおむけに なって、胸の上の石に打ちつけて 食べることもあります。約3年で 成熟し、1頭の子を1年おきに産 みます。ラッコは皮下脂肪をほと んど持っていないため、保温性の よい毛皮の間に空気を入れること で直接海水が体に触れないように して、できる限り体温が下がらな いようにしています。また、一日 に体重の20〜30%にあたる大量 のエサを食べてエネルギーを補給 しています。

画像 ▲ラッコ
▲ラッコ

(6〉北の海にすぢ海獣たち   北の海は栄養豊かで、工サとな  る生物が豊富であるため多くの  海獣類が生活をしています。ミンク  クジラやザトウクジラなど、口の  申に櫛状のヒゲを持つヒゲクジラ  の仲間は大量のオキアミや小魚を  ヒゲでこして食べます。また、  マッコウクジラやツチクジラなど  の大型の歯クジラ頬やイシイルカ、  ネズミイルカなどの小型歯クジラ  頬は魚やイカを食べます。   アザラシの仲間では、ワモン  アザラシやタテヨトアザラシか分布  しています。これらのアザラシは  ゴマフアザラシやゼニガタアザラ  シと異なり、外洋に生患し、i台岸  で見られるのはまれです。

画像 ▲ザトウクジラ
▲ザトウクジラ


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