ふくしま海洋科学館学習指導の手引き -049/097page

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 オセアニック・ガレリアの科学展示では、潮目の海を中心に海に関する科学をさまざまな視点により紹介しています。

(4)資源の利用

画像 ▲福島県の水揚げ(福島県農林水産部資料による)
▲福島県の水揚げ(福島県農林水産部資料による)

 私たち沿岸や沖合にすむさま ざまな生き物たちをとり、利用し 生活しています。広い海で漁獲さ れるイワシやサンマのような浮魚 類(うきうおるい)は、穀物や野菜、 家畜に比べとても短い間に、産ま れ、育ち、死んで分解されるという サイクルを繰り返すとても繁殖力 の強い生き物です。そのため私た ちの食料として大いに利用されて いるのです。

 しかし、この繁殖力の強い浮魚 たちも急激な環境の変化や乱獲が 生じ、一度その生態系を崩してし まうとせっかくの生産力を失って しまいます。海の生物資源を守る ため、限りある水産生物資源を 上手に利用していくことか大切で す。

画像 ▲オセアニック・ガレリア
▲オセアニック・ガレリア

(5)プランクトン

 プランクトンとは比較的小さい 動植物で、運動能力が極めて弱い か、または、全く運動しないで移動 が水の流れに支配されている生物 のことです。プランクトンは細か く分類すると、生活する環境、 生息する深度、浮遊生活する最さ、 大きさなどで分けられます。一般 的にプランクトンというと、顕微 鏡でなければ見ることかできない 小さな生物を思い浮かべますが、 クラゲのような大きな生物も浮遊 生活をし、移動を水の流れに支配 される点ではプランクトンといえます。

 植物プランクトンは、陸上の 植物と同じように光合成をして 有機物を産出します。この植物 プランクトンを動物プランクトン か食べることになり、さらにこの プランクトンたちは、小動物たち のエサとなるといった食物連鎖の 基底部になります。プランクトン は海の生き物たちの食物連鎖に欠 かすことのできない存在です。

(6)県内の種苗生産

 ヒラメやカレイのような底魚(そ こうお)や、ウニ・アワビのような 沿岸にすむ生き物は、沖合でとれ るサンマやイワシのような回遊魚 に比べ成長が遅く、とりすぎたり、 急激な環境の変化があると、たち まちその数は減少してしまいます。そこで、福島県では海の資源の維 持のため、種苗生産によって大き くしたアワビやウニ、ヒラメなど の椎貝や稚魚などを放流し資源の 増大を図っています。

画像 ▲ウニ
▲ウニ

画像 ▲ヒラメ
▲ヒラメ

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