ふくしま海洋科学館学習指導の手引き -051/097page
黒潮の遠い源である熱帯アジア。ここには、緑豊かな森が広がっています。大地に降り注ぐ多量の雨は森を洗い、落ち葉や 土などさまざまな栄養分を川へ運びます。大きな川となった水の流れは、やがてその勢いを失い、海辺に広がるマングローブ の森に流れ込みます。ミネラルや有機物を農高に含んだ水は、ここで多くの生き物を育み、海へと手渡されていきます。
(3)マングローブ
熱帯から亜熱帯の川の水と海の 水か混じり合うところに生きる 植物をマングローブと呼びます。 メヒルギやヤエヤマヒルギといっ た代表的なものや、シダやヤシの 仲間などを合わせると、世界中で は100種以上もの植物かマング ローブと呼ぼれます。
これらの植物は、酸素の少ない 軟らかい土の上で、しかも海水に つかりながら生きていくために、 タコの足のような限をはり出した り、木になった状態で発芽する 胎生種子をつけるなど他の植物と は違った特殊な体のつくりを持っ ています。
(4)マングローブ生き物たち
マングローブの森の中には、 さまざまな生き物たちが暮らして います。その生き物たちのエサの 源になるのはマングローブの落ち 葉です。落ち葉は、まず、キバウ ミニナやカニなどのエサとなり細 かく分解されます。それらは、 水中のプランクトンや小型の動物 のエサとなり、さらにそれが魚な どのエサになっています。
また、マングローブの根がつく りだす複雑な空間は、魚の稚魚などにとっ ては絶好のかくれ場所になります。
こうして多くの生 き物たちか集まるマングローブは、熱帯の海の生き物たちに とって欠くことのでき ない大切な場所です。