ふくしま海洋科学館学習指導の手引き -056/097page
No.9 親潮水槽
(1)親潮の特徴
親潮は、栄養塩類が豊富なため、 春になると植物プランクトンが多 く発生します。さらにそれを食べ る動物プランクトンも増えてきま す。これらのプランクトンは魚の 格好のエサとなるため、親潮流域 は生命を育む豊かな海として知ら れています。また、親潮海域では、 マコンブのような大型の褐藻が多 く見られます。
マコンブは水深2mから30m 位の岩場に分布し、2mから7mく らいの忘さになりますが、中には 10mになるものもあります。
海藻類はウニやアワビなどのエサ になり、海藻が繁茂する海中林は 稚魚たちか生活する大切な場所と なります。
(2)表層にすむ魚
親潮はプランクトンが多く、そ れらをエサとして、多くの魚があ つまります。ニシンはオキアミな どの動物プランクトンを食べる親潮 の代表的な魚です。ニシンは、3月から5月の産卵期になると沿岸の 海藻などに卵を産み付けます。 孵化した稚魚たちは沿岸で群れを つくって生活し、孵化後約3ヶ月ぐらいになると沖合へと移動しま す。その後、夏になると北上し、 冬になると南下して越冬する南北 回遊をします。
また、サンマやマイワシのよう に春から夏にかけてエサを求めて 親潮海域まで回遊してくる魚もいます。