ふくしま海洋科学館学習指導の手引き -058/097page
No.10 黒潮水槽
(1)黒潮
黒潮は、世界中の海流の中でも 代表的な海流です。その源はフィ リピン、台湾の東方といわれ、 大陸棚の線に沿って北上し、日本 の南沿岸を通り福島県沖に達しま す。黒潮の流れは大きく、1秒間 に数千万トンもの流量の水を運ん でいると推定され、その流れの変 化は、日本の気候にも大きな影響 を与えます。
また、カツオやマグロの仲間、 サンマなど、多くの魚類がこの流 れを利用して回遊を行っています。
(2)サメやエイの仲間
黒潮水槽では、頭がハンマーの ような形をしたアカシュモクサメ とはばたくようなして泳ぐマタラ トビエイの2種を見ることができ ます。サメ・エイなどのように骨 類が軟骨でできている魚類は軟骨 魚類といい、マタイやスズキなど の硬骨魚類と区別しています。 両者には体のつくりにもいくつか の違いがあります。
アカシュモクサメが近寄ってき たら体のつくりをじっくり見てみ ましょう。まず、胸ビレの前を見 ると5本の線のようなものがあり ます。これがエラ穴で、硬骨魚類 の1対のエラ穴とはだいぶ形が違 います。また、体の表面には、か わらを並べたような鱗はなく、ざ らざらした歯のような鱗がありま す。